『Bad day~二度ある事は三度ある~』
「あのねー恋人と別れるのに私を利用するのやめてくれない?
私と君は唯の上司と部下って関係以外に何もないじゃない。
…もう警察に通報済みだから警官にきちんと説明しなさいよ。
彼女を訴えるのは止めてもいいけど、治療費は城田君に請求するから
それに、このケガの責任取って貰うわよ!」
そう言ったらやけに嬉しそうな顔をして
「はい!俺が責任もって主任の面倒を見ます」頓珍漢な返事をする城田
「はぁ?誰があんたに面倒見てって言ったよ。
私はこれから病院に行って治療して貰うけど普通に外を歩けるようになるまで有給休暇をとるから
仕事のフォローをしろって事よ!
地球上に男があんた一人だけだったとしても絶対にお断りです。
人類滅亡、ご愁傷様」城田に向って啖呵を切ったら暴力女を抑え込みながら男性は体を揺らして笑っている。
それから程無くして
「どうしましたー?」気の抜けるような言葉を掛けながら交番勤務の警官が二人やって来た
城田の元カノを抑え込んでいる男性を見て警官の一人が
「あれ…向井先生お知り合いですか?」と声を掛けている。
男性は照れ臭そうにしながらも
「被害者の女性が警官が来るまで彼女を抑えてくれたら壱万円くれるって言うもんだから…あははーー」と楽しそうに笑っている。
しどろもどろになりながら城田はもう一人の警官に事情を説明している。
「どうします?彼女を訴えますか?」と警官に聞かれたので
心情は彼女と城田を一緒に一日留置所にブチ込んでしまいたかったけれど
失恋した痛みを忘れるため酒を飲み酔ってフラフラしていたら、たまたま私を見掛けて後を付けたと聞いては、これ以上惨めな思いをさせるのは不憫に思えてくる。
「今回は訴えません…また迷惑を掛けられるような事があれば二人纏めて訴えます。」と力強く宣言した。
城田が病院に付き添うというのを「彼女を送って」とバッサリ断った。