こんな私と、あんな彼。
――翔Side




美羽の髪を乾かしてたら、今日の話題出してきやがった…


“大切なもの”




あれ見た瞬間
頭に浮かんだのは、美羽の笑顔だけだった

それ以外、思いつかなかったし、ないと思った。



今こうして
俺の足の間にすっぽりとおさまる小さな美羽が、可愛くてしょうがない。
お風呂上がりだから、いつも以上に良い匂いがする






クルッ

『う!わっ……なんだよ』

急に美羽がこっちを向いた



ピンクに染まった頬
ピンクの小さな唇
なんで…こんな可愛いんだ?


「翔?あたしも、あたしの大切なものも、翔だからね。今この瞬間も、たまらなく幸せなんだ。」



そう言って、にっこりと微笑む美羽





やばいだろ…














『…監禁すんぞ』


「そ…困ります」




我慢できなくて
抱きしめてしまった


この腕の中の
俺の大事な大事な女の子。
何があっても、何を犠牲にしてでも
守るから。
だからずっと


『ここにいろ。』


「…好き」




誰にもわたさない
< 101 / 103 >

この作品をシェア

pagetop