こんな私と、あんな彼。
――翔side




やっと周りの女子が消えた。
「なあ!俺明!よろしくなっ。」

『おう。』


明と言った奴。
中々カッコ良い。茶髪が無造作にいい感じにセットされている。


「翔って呼ぶから明って呼べ!つかお前いきなりモテモテだな。」


『知らねぇ。転校生が珍しいだけだろ。』


「いやお前超カッコ良いもん!!」


『普通だろ。』


話していると、教室の真ん中で美羽が派手にこけた。
「『ぶふっ。』」

周りの男も俺も、おもわず吹き出した。

「また桃谷こけてるし!」
「まじ面白ぇ。てかまじ可愛い!」


『なにあいつ人気なの?』

「おお。すげぇモテる。可愛くて天然で、性格さっぱりしてるし!」


へぇ…。

こいつらの話を聞くと、

ばあさんに道を聞かれて案内してるうちに、自分も道に迷ったり。

付き合ってと告白されたのに「いいよーどこ行くの?」と、素で流したり。

体育祭でスタートした瞬間転んだり、何が起きたのかは謎だが、おでこから流血してるのに
それに気付かないままリレーに出て、奇声を発しながら全力疾走したそうだ。




やっぱあいつ、アホなんだな。
< 14 / 103 >

この作品をシェア

pagetop