こんな私と、あんな彼。
――美羽side







『……海斗?ちょっと…』


はぁ。
ちゃんと言えるんだろうか…。


「…うん。」





海斗はあたしの答えがわかってたのだろうか。
哀しそうに、微笑んだ。









―――
――


『…ごめん……なさい。海斗とは、付き合えない…。』

そんな…悲しそうな顔しないで……
気持ちはすごく
嬉しかったのに…
なんで、こんなに翔を好きなのかな。









「佐野………が、好きなんだろ?」


『え…?』


何でわかるの?




「美羽を見てれば、わかるよ…。俺には、顔を赤くしてくれない。あんな笑顔………見してくれねぇもんな!!」



泣きそうな顔して……
無理して、笑わないで…








『……ヒック…ご………め…………なさ……ック…』

ごめんなさい
海斗……








「泣きたいのは、俺なんだけど?笑」


ぎゅっ―――







『……ぅっ…』


「…これからも、仲良い幼なじみだかんな?避けたりすんなよ〜?」



海斗の胸で
その震えた声に、あたしは強く頷いた。












―――
廊下を
海斗は上を向きながら
あたしは下を向きながら歩く。




「じゃ!佐野とうまくいかなかったら、いつでも俺んとこ来いよ!!」


『うん!海斗…ありがとう!!大好き!』


「………お前まじ俺んとこ来い!笑」















海斗?
これからも大切な、幼なじみです。
< 56 / 103 >

この作品をシェア

pagetop