こんな私と、あんな彼。
――翔Side




今日美羽は
目を赤く腫らして、教室へ戻って来た…。


俺は自分の部屋で、何があったのか気になって…………





いつの間にか、眠ってたらしい。


……あ
美羽に辞書、借りたままだ。

辞書を返しに、美羽の部屋に行くことにした。














ガチャ


『これ、辞書ありがと。』

「あ、うん!そこ置いといて?」




『うん…。お前、今日泣いてたろ?』



「……何で翔は、すぐわかっちゃうの?ずるい……よ。」









そりゃあ…

好きだから。気付いたら、見てるから。



俯く美羽。

俺は隣に座り、美羽の頭にそっと
手を乗せた。








『泣きたくなったら、ここに来い。』




気付いたら、抱きしめてた。














「優しく………しないで…?」


「翔に優しくされる…と、あたし、困る。顔、赤くなる。」






……それって…



いや、聞かないでおこう。期待外れじゃ、落ち込むから。






『……困れよ…俺のことで、もっと困れよ。』





「………しょ」

“二人ともー!ご飯よーー!!”
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