こんな私と、あんな彼。
「飯だー」



腹減ったな…





パコ


弁当の蓋を開けると……










「でさーあのゲームの……って…たまご焼きでか!!」



そこには…
いつもおかずが入っている方に
これでもかってぐらいのご飯と
弁当箱の半分はあるだろう
でかいたまご焼きと
いそぎんちゃくみたいなウインナー。


ご飯のはしっこには……





小さく


“スキ”


の、海苔でおかれた二文字






あぁ…
だから、あいつあんなに手…傷だらけだったんだ



『……パク…』


黙って食べる




何だよ…これ……





食べ終わり、俺は美羽の席に近づく


「あはは!そりゃないでしょー………し…しょう…?」





後ろから
抱きしめた


皆見てるけど、そんなのちっとも気にならない。

ただ、すごく抱きしめたくなって。





『…うまかった』


「……不細工なたまご焼きで…すまん……」


『…うん、うまかったよ。ありがとう。』


「あ、あの……皆が見ているよ…」


『…うん。もうちょっと』
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