遠くにいる君に。

「…結果的に、話してくれたんだから、結菜が気にすることはない。」





本当にそう思ってる。





話してくれただけで、俺は十分嬉しいから。





だけどそれを口に出せないでいるのは、結菜の横顔が、あまりにも切ないから。




まだ話してくれてないことがあるの？




なんて、探ってしまうから。






「……この前、日向がいってくれたことで私の気持ちはすごく楽になったよ。嬉しかった。日向の気持ちが。それは本当の気持ち。


でもね、私が忘れちゃったら、陽向はひとりぼっちなんじゃないかって、思うの。だから、そういう意味でも、陽向は、まだ……私のなかに、いるの。」