幻想月夜
 両親は相変わらず仕事で家を空けることが多かったのですが、もうさみしくありませんでした。

 そして少女は――。


(やっと、自分の言葉を見つけたわ――これであなたに伝えられる……)


 探し続けた言葉がようやくみつかったのです。そして、もうひとつうれしい出来事がありました。いつもはそんなに楽しみじゃなかったクリスマスもーー両親がくれたその贈り物は、いとも簡単に笑顔に変えて。



 少女の胸の中に大切にかかえられた、青年の絵本。




“希望の花”



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