幻想月夜



 ある日のこと。



 キンモクセイとは違う花の香りが、窓のすき間から入ってきました。



(……サクラの香りだわ。秋に咲くサクラの)



 少女は花の香りに誘われるように外へ。



 レンガの道を沿うようにして咲いているキンモクセイ。この道を通っていくと、小さなカフェがある通りにでます。




 庭に木苺の木がある小さなカフェ。宝石のようなケーキと木苺で淹れたお茶がユシアのお気に入り。



 少女は慣れ親しんだ道を迷うことなく進みます。



 すると、小さな公園がみえてきました。


< 8 / 26 >

この作品をシェア

pagetop