幻想月夜
ある日のこと。
キンモクセイとは違う花の香りが、窓のすき間から入ってきました。
(……サクラの香りだわ。秋に咲くサクラの)
少女は花の香りに誘われるように外へ。
レンガの道を沿うようにして咲いているキンモクセイ。この道を通っていくと、小さなカフェがある通りにでます。
庭に木苺の木がある小さなカフェ。宝石のようなケーキと木苺で淹れたお茶がユシアのお気に入り。
少女は慣れ親しんだ道を迷うことなく進みます。
すると、小さな公園がみえてきました。