甘いキスのねだり方
話し終えたあたしを

弥彦はそっと引き寄せて

優しく頭を撫でた



「辛かったやろ…?

気付いてやれなくてごめんな」


申し訳なさそうで切なげな声に

あたしは首を小さく横に振った


弥彦の大きな手で

頭を撫でてもらってると

すごく心地いい…



親に甘える子どもみたいに

弥彦の首元に顔を埋めたあたしは


声を殺して泣いた
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