甘いキスのねだり方
ドラムソロの1分間弱


これまでの経験で最も

強く眩しい光を浴びた



激しいリズムに両手両足が

悲鳴を上げるが

気持ちで手足を動かしていた



自分が叩くドラムの音以外何も響かない

時計が止まっているようだった



ソロが終わると同時に全楽器が加勢し

吹奏楽部のステージは締めくくられた



演奏後、聴衆から拍手が起こる




無事に力を出せた…


プロからしたら、まだまだの腕だけど!




袖に引き上げると


弥彦が笑顔であたしを迎えた




「めっちゃよかったやん!

ようやったな朝日‼‼ 」



この言葉を掛けてもらうため

頑張ってきたのかなと思うくらい


あたしはホントにうれしくて

涙腺にじわっとこみ上げそうになった




そのとき梨央先輩が

弥彦のシャツの裾を引っ張り


「行こう♫」と導いた
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