甘いキスのねだり方
「おばあちゃん!」と

声を掛けたい気持ちを抑えて

自分に気づいてもらえるのを待った



しかし、おばあちゃんは


あたしの横を通り過ぎた


まるで


視界に入っていないかのように…



着ている服が違うから

気づかなかったんだろうか?



「おばあちゃん!」



あたしは大きな声で呼び止めた



でもおばあちゃんは自分が

呼ばれていると思っておらず



そのまま行ってしまった



あたしのこと覚えてないのか…


ショックで少し茫然としたが


聡子さんが迎えに来るだろうと


あたしたちは待合室に向かった
< 210 / 294 >

この作品をシェア

pagetop