躁の唄
鬱終い
豊かなる羽音の安らぎは、漂うような午睡に溶け込み、微かに空気を震わせる。
隣の部屋から障子を跨ぎ、漏れでる紫煙が密室を流れ、日光に薄く透いた景色の中、風流な心地で安穏とした時の普遍性を見る。
それだけだった。
彼にとってはそれだけだった。
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