不機嫌なアルバトロス
「泣いてたと思われた方が都合がいいから。」
さらりと言うもんだから、一瞬反応が遅れた。
ぜ、ぜ、ぜ、ぜ、
前言撤回!
私は絶対この男になんか騙されない!
好きになんかならない!
「しんじらんないっ」
瞬間湯沸かし器のような私は強く抗議する。
「今回は俺から志織への御礼の食事だ。あんたにはその席で援助の感謝の言葉を述べてもらう。俺のことはおにいちゃんって呼べばいい。」
私の反応なんてお構いないしに、中堀さんは淡々と説明を続ける。