不機嫌なアルバトロス
「紹介する。妹の乃々香だ。」
中堀さんが後ろにいた私を優しく前に押し出し、紹介する。
急に振られた事で、私はあたふたしながら、チラリと中堀さんの顔を伺う。
彼は、キラキラした笑みを私に向けている。
…こ、怖い。
ぱっと見、素晴らしい笑顔なのに、早くしろよっていう黒い本質が見え隠れしている。
殺されるっ
私は慌てて前に向き直って、
「は、は、初めまして。いつもっ、あ、、兄が御世話になっています。今回は、私…の病気のために…ご、ご迷惑をおかけしてしまうことになり…誠に申し訳ありませんっ!」
たどたどしく謝罪の言葉を紡ぎ、勢いよく頭を下げた。