不機嫌なアルバトロス
「乃々香ちゃん?」
呆れ返っていた私は、名前を呼ばれてはっとする。
「あ、はい!頑張ります!ありがとうございます」
なんとか、返事をして頷く。
「良かったー!乃々香ちゃんが頑張らないと、こういうのって駄目だから。それ聞けて安心したわ。」
キラキラと良い人オーラを放ち、志織さんは胸を撫で下ろした。
私もようやく、カップに口を付ける。
心の中に、二種類のモヤモヤが溜まっていく。
この人への良心の呵責と。
もうひとつは、この人への嫉妬。