不機嫌なアルバトロス
短大出た後、直ぐに入社して五年目。
いわゆるOLって言われてるやつで。
今もそういう風に呼ぶのかは知らない。
でもあまり聞かなくなったかな。
カツンカツンと、ヒールを鳴らして歩きながら、私は自分の名前すら覚えてもらえない職場に、もうそんなに長い事居るのね、と情けなく思った。
今日も雑用ばっかり。
段々ここが何をやっている会社だったか、っていうこともわかんなくなってきた。
一応私だって、やらなければならない仕事はあるんですけどー。って思うのに。
どうしてか私は暇だと思われているらしい。
いや、断らない性格だから、利用されているだけなのかもしれないけど。
一人悶々としながら、休憩所に到着。
自販機でブラックのコーヒー…
は、格好良いけど苦手だから…
私は自分で定番のホットミルクティー。
ガコン、という音を立てて、出てきた缶を掴んだのだが、あまりの熱さに思わず手を放してしまった。