不機嫌なアルバトロス
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ヴーヴーヴーヴーヴー
しとしとと、雨の音が、する。
身体が、鉛のように重い。
頭がガンガンする。
そして、携帯の振動に吐き気がする。
瞼を開けることができないまま、私は枕付近を手でまさぐって携帯を掴み、電源を落とした。
ぼにゃーっとした思考で、昨晩雨に降られたことを思い出した。
「…熱、あるなこりゃ…」
心から、反省。
社会人として、情けない。
だけど。
身も心もぼろぼろだ。
有休、使おう。
会社に、電話しなくちゃ駄目か…
今さっき切ってしまった携帯を再度復活させる。
瞼すら重たく感じながら、薄く目を開けて画面がついたのを確認した。
「…うわ。。憲子ばっかり…」
見事に憲子からの不在着信で画面が埋め尽くされていた。
そうだ。置いてきちゃったんだった。
携帯も長いこと鳴っていた気もする。
だけど、ぎゃんすか泣いていた私は自分のことで精一杯で。
「憲子…に、電話…」
熱に浮かされながらも、なんとか震える手で通話ボタンを押した。