不機嫌なアルバトロス
ソファにもたれかかったまま、首だけ伸ばしてテーブルの方へ顔を向ける。
ガチャ。
さかさまにぐたーと沿ったところで、奥のドアが開く音がした。
「あ。」
「…何してるの」
金髪の彼は、どうやらお風呂上りのようで、上半身裸で登場。
タオルでがしがしと頭を拭きながら、怪訝な顔して、逆さになったまま止まっている私を見た。
「く…」
「く?」
「…首の体操、、、」
「……ばかなの?」
「……すみません…」
私はそう言って、ずるずるずるーっと、ゆっくり頭を元に戻して、ソファに膝を抱えて座り直した。
中堀さんがキッチンに入って、冷蔵庫から何かを取り出した音、それから閉じた音が続く。
「ひゃっ」
「あんたも飲む?」
急に頬に冷たい感触がして、思わず飛び退くとソファの後ろに中堀さんが立っていた。
手にはミネラルウォーターを持って。
「いい、いただきます…」
素直に受け取り、また前に向き直った。
「体調どうなの?」
そう言いながら、中堀さんは私の隣に腰を下ろす。
少しだけ、距離が開いている。