不機嫌なアルバトロス
優しさはいつもータイムリミットまであと8日ー
―言ってやった。
はぁはぁっと息切れしながら、私は達成感を感じない程痛む心に耐え切れなくなって途中から中堀さんではなくテレビを見て叫んでいた。
ただでさえ熱で火照る身体が、輪をかけて熱い。
中堀さんが着けたテレビから、ニュースキャスターの声だけが漏れている。
口を尖らせたまま、私は隣を見ることが出来ない。
その上涙はまだ流れている。
「…そうだな」
暫くすると、中堀さんが静かに呟いた。
「え…」
同意する言葉に、俯いていた顔を彼に向ける。
中堀さんは蓋をしたペットボトルを手に持って見つめていた。
「俺のことなんか、好きになったら駄目だよ」
なんでかわかんないけど。
その伏し目がちな顔が、ちょっとだけ憂いを帯びているようで。
いつも自信たっぷりの彼とは少し違う。
見たことのないカオに、心が揺れた。
「中堀さん…?」
ずび、と鼻を鳴らしながら、名前を呼ぶ。