不機嫌なアルバトロス
全体的に黒っぽい、無愛想な建物は、当たり前に同じ場所にあった。
教えてもらわなければ、ここが食べ物を売っている所だとは思えない。
まず、入ろうだなんて考えないだろう。
どこかの会社か、はたまたちょっとお洒落な御宅か、謎の建物だ。
一体何ていう名前のお店なんだろう。
頭の中でこのお店の名前予想をたてながら看板のない黒の扉に手を掛けた。
「いらっしゃいませ」
こないだとは違う店員さんが、お辞儀をして迎え入れてくれる。
お昼よりも少し早めの時間だったせいか、お客は比較的少な目で、席にすんなり案内してもらえた。
先日はカウンターだったけど、今回は小さめのテーブルと一人掛けソファというお一人様席だ。
「あれ?もしかして…カノン、ちゃん?」
メニューを手にとってどれにしようか悩んでいると、隣から声が掛かる。
「―え?」
私は誘われるようにして、振り向いた。
「あ。」
さぞかし私は驚いた顔をしているだろう。
そして隣で同じように驚いている表情をしているアッシュブラウンの髪の顎髭優男。
「…トーマ、さん…」
なんて偶然なんだ。
まさか、こんなところで、彼に会うとは。
教えてもらわなければ、ここが食べ物を売っている所だとは思えない。
まず、入ろうだなんて考えないだろう。
どこかの会社か、はたまたちょっとお洒落な御宅か、謎の建物だ。
一体何ていう名前のお店なんだろう。
頭の中でこのお店の名前予想をたてながら看板のない黒の扉に手を掛けた。
「いらっしゃいませ」
こないだとは違う店員さんが、お辞儀をして迎え入れてくれる。
お昼よりも少し早めの時間だったせいか、お客は比較的少な目で、席にすんなり案内してもらえた。
先日はカウンターだったけど、今回は小さめのテーブルと一人掛けソファというお一人様席だ。
「あれ?もしかして…カノン、ちゃん?」
メニューを手にとってどれにしようか悩んでいると、隣から声が掛かる。
「―え?」
私は誘われるようにして、振り向いた。
「あ。」
さぞかし私は驚いた顔をしているだろう。
そして隣で同じように驚いている表情をしているアッシュブラウンの髪の顎髭優男。
「…トーマ、さん…」
なんて偶然なんだ。
まさか、こんなところで、彼に会うとは。