不機嫌なアルバトロス
「自分のターゲットだろうが、誰だろうが、タカに靡いた女をわざわざ取り戻すなんてことは、一回も見たことがないよ。多分…タカもね。」




「…?それって…?」




どういうことだろう。私は首を傾げる。





「だから、他の男に行った時点で、零はアウトなんだよ。どんな理由でも、どんな状態でも。別に最初から好きでもなんでもないんだけど、他に行ったらアウト。ターゲットでもなんでもなくなる。赤の他人。」




へ?




益々わからない。






「潔癖、っていうのかな。触りたくもないっていうか…興味が失せるんだよね。なのに、カノンちゃんに限っては、初めてクラブに来た夜、タカを止めてる。タカが驚くのも無理はなかったんだよ。」






今度こそ、私はパスタをくるくると丸めて口に放り込みつつ考えた。




つまり?



私は、特別?ってこと?


え、え、そう思ってもいいのかな?



だめだめ、口が緩んじゃう。
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