不機嫌なアルバトロス
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「はぁ…」
5時になったのを確認して、身体を起こし、頭を抱えた。
飽きるくらいに、何度も繰り返し考え過ぎて、結局消化しきれない。
私が願ってたのは、こんなことじゃなかった筈なのに。
どこをどう間違って、どうしてあの人に出逢ってしまったのか。
私のことを愛してくれないのに。
完璧に格好良くて。
かなり自然体なのにお洒落で。
詐欺師で。
全然優しくない。
なのに。
好きにならないでいることの方が、難しい。
でも、たぶん。
中堀さんの、突き放すような物言い、冷たい目が、やけにはっきり心に残っている。
「好きって、伝えたら、終わっちゃう…」
暗闇の中で、ぽつりと呟いた言葉は、自分自身にかけた呪いのようだ。
ねぇ憲子。
中堀さんのことを、私が好きにならないように努力しようが、好きになってしまおうが。
結局、どうにもならないみたいだから。
どうせ、前にも後ろにも進めないから。
せめてこの契約期間が終わるまでは。
口には出さないように気をつけるから。
あの人の事を、好きだと思っていても良い?
心底、欲しいという願いだけなら、持っていてもいい?
「はぁ…」
5時になったのを確認して、身体を起こし、頭を抱えた。
飽きるくらいに、何度も繰り返し考え過ぎて、結局消化しきれない。
私が願ってたのは、こんなことじゃなかった筈なのに。
どこをどう間違って、どうしてあの人に出逢ってしまったのか。
私のことを愛してくれないのに。
完璧に格好良くて。
かなり自然体なのにお洒落で。
詐欺師で。
全然優しくない。
なのに。
好きにならないでいることの方が、難しい。
でも、たぶん。
中堀さんの、突き放すような物言い、冷たい目が、やけにはっきり心に残っている。
「好きって、伝えたら、終わっちゃう…」
暗闇の中で、ぽつりと呟いた言葉は、自分自身にかけた呪いのようだ。
ねぇ憲子。
中堀さんのことを、私が好きにならないように努力しようが、好きになってしまおうが。
結局、どうにもならないみたいだから。
どうせ、前にも後ろにも進めないから。
せめてこの契約期間が終わるまでは。
口には出さないように気をつけるから。
あの人の事を、好きだと思っていても良い?
心底、欲しいという願いだけなら、持っていてもいい?