不機嫌なアルバトロス
「は…」



自嘲の笑いがこみ上げる。


でも、口の端を吊り上げる力は無い。




本当は、もっと早く、アンタに会いにくれば良かったのになぁ。


俺はアンタと顔を合わせて話をするのが苦手なんだよ。



アンタに名前をもらったあの日から。






『アオが良いと思うんだ。』




御人好しのその顔で、得意気に言ってたな。




『空を生きる、アオ。空は広くって、どこまでも続く。途方に暮れることもきっとある。だけど、生きろ。それで、青く染めるんだ。』





澄んだ、青に染めるんだ。



そうやって、君だけしか持っていない良いモノを人に分けてあげるような、人間になるといい。



―空生。
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