不機嫌なアルバトロス
『そ、それは…あ、貴方に、、用が、、あって』
俺に用があっていたんだということはわかってる。
頭ではわかってる。
多分、志織のことだろうと思う。
志織が櫻田花音の会社にまできっと行ったんだろう。
最初から連絡しなかったのは、志織の性格をふまえてのことで。
別に言わなくても平気だと思ったからだ。
後で説明すれば十分だと思ってた。
でもパニックになったんだろう、あんたも。
だけど。
クラブに―
『あそこにいけば、、会えるかとおもっ』
崇の居る所に―
『―て?!』
来るなよ。
そんな無防備に。
起き上がろうとした櫻田花音の熱を持った手首を掴み、ベットに縫い付ける。
『……なっ、なにするっんですかっ』
赤かった顔をさらに真っ赤にさせて抵抗するけど、俺も今更止められない。
『……タカが……あんたのこと気に入ったんだって』
あんたの顔は本当に、考えてることがよく出るね。
『っ放して…ください…』
きつく手首を掴んで、俺は言う。
『あんたは?』
答えてよ。
『あんたは、タカのこと、どう思ってんの?』
こないだ俺に訊いたよね?
志織のこと好きにならないの?って
残念ながら俺はならないんだよ。
『もしかして、好きでもないのにキスできんの?』
あんただってどうせ一緒でしょ?