不機嫌なアルバトロス
「どうせ、こっちの仕事からは足を洗うつもりだったから、暇だし?」
茶色い瞳が、意地悪に細められる。
「折角だから、教えてもらおーかな?愛とやらを。花音せーんせ。」
「なっ!」
なんか、軽いっ。
もっと、なんか、こう、私は、こう…
頭の中でぐるぐると考えていると、背中に急に硬い感触がする。
「えっ、ちょ…」
いつの間にかジャングルジムに押し付けられていた私に、中堀さんは。
「まずは、キスでもしとこっか?」
これまでと同じように、軽すぎるノリで。
「い、んっ、んーーーーーーーーー!!!!!!」
嫌だと言えない私に、深いキスをした。
太陽の光が、中堀さんの金色の髪に透けて光るから。
キスの合間に、キレイ、と伝えると。
今までにない笑顔で、彼は嬉しそうに笑った。