不機嫌なアルバトロス
付き合ってるわけじゃない。


要はお試し期間みたいなもので。



チャンスをもらえたっていうだけで、上手く行くかどうかは私次第。




ジャッジは中堀さん。



だけど、中堀空生っていう人と向き合えるってだけで、無性に嬉しい。




今夜は中堀さんと食事をする約束をしている。



まだ色々と片付けなければいけないことがあるのと、引越しはもう済んでしまっている為に、暫く中堀さんは行ったり来たりを繰り返すらしい。




引越し先は、隣の県で、高速に乗れば一時間もかからずに着くようで。



いつか、その家にもお邪魔できる立場になりたいと願う。





ちょっと覗くだけでもいいから、見たい。





いや、本当は今すぐ行きたい。





むくむくと膨れ上がる自分の願望に、抑えは効かない。





相変わらず冷たい北風を少しでも避けようと俯き加減に、駅まで歩く。



何度でも緊張する私は、本当にあの人が好きで仕方ないらしい。
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