不機嫌なアルバトロス
「潰す気か?」
諌めるようにおにーさんが言っているのが遠くで聞こえる。
「どっちでもいーじゃん。この子と俺の勝手じゃん?」
さぁすが、遊び人のタカ!
心の中で思って、クスリと笑う。
「カノンちゃんは楽しいんだもんなぁ?」
そんな私に気付いたのか、タカが訊いてくる。
「んー!たのしー」
へへへ。心から同意!
「…タカ…そうやって何回持ち帰ったよ…客喰うのやめてくれよ。」
心底呆れたようにおにーさんが言う。
やっぱりなぁー。
そういう人なんだよね。
別に私じゃなくても、ここに座った女の子には声掛けてるんだよね。
心の隅でがっかりする自分を引き止める。
しょうがないじゃん。