不機嫌なアルバトロス
何言ってんの?

この人ワケわかんない。


そう思うが、驚きすぎて声が出ない。


「病気のフリをしてくれるだけでいい。それも俺が呼び出した時だけ。」


私の返事を待たずして、彼はどんどん話を進めていく。


「本当は君に近づいて、恋人になってから利用させてもらおうと思ってたんだけど。まさか逃げられた挙句にひっぱたかれるとは思ってなかったんでね。話が変わった。」



何?恋人?


利用?


いや、利用されていそうなことはあの場でなんとなくわかっていた。



「…服を…返してください」


やっとのことで、私は声を絞り出す。
< 74 / 477 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop