不機嫌なアルバトロス
「ひっぱたいたのに?」


「それは悪かったかもしれませんが、仕方ないと思います。」


「こんなに介抱してあげたのに?」


「クリーニング代とタクシー代とお世話になった分はお支払いします」



睨みつける私に、彼は「ふーん」と偉そうに考え込む。

そして―



「いいの?」


何故か残念そうに私に問いかける。



「…何がですか?」


眉間に思い切り皺を寄せて尋ねると、彼はポケットからデジカメを取り出して操作し、画面を私に見せた。


そこには。


「!!!!!!」


私の寝顔、と。


わかりますよね。えぇ。目も当てられません。



「バラまいちゃうよ?」
< 76 / 477 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop