不機嫌なアルバトロス
「2週間だけだから、ね?演じてくれたらちゃんと消す。それは約束する。」


「ほ、本当に、消してくれるの?」


「勿論。」


絶対信用できないけど、でも。


「…わかった、やります…」


ここは頷くしかない。


私は首を縦に振った。


「いやー、わかってくれて嬉しいよ。俺も助かるなー。じゃ、俺向こう行ってるから、着替えたら出てきてね。」


そう言い捨てて、颯爽と彼は部屋を出て行く。


なんだろう、このどうしようもない敗北感…。


どうしてこんなことに巻き込まれちゃったんだろう。


もそもそと着替える為に動き出しながら、私は必死に考える。


二日酔いの頭は思うように回ってくれないけれど、とんでもないことになったということは、かろうじてわかるみたいだ。
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