海風【完】
誰にでも明るく
等しく接する彼女の言動を、
悪く思う奴は居ただろうか。
八方美人だと言って、
僻む奴は居ただろうけど、
それはただの無いものねだりに過ぎない。
目鼻立ちも整っていて、
落ち着いた雰囲気に柔らかい表情。
実際、
男子からの人気はかなり高かった。
そんな中、彼女に告白されたのは
なんの取り柄もない、平々凡々な僕。
彼女を太陽と言わずして、
誰を太陽と呼べようか。
そんな彼女が目の前で
肩をすぼめて泣いている。
マシな言葉もかけてやれない。
こんな僕が、隣に居ていいのか。