またあなたに初恋します

朝チャイムが鳴っても沖君の姿は席にはなかった。

「えー、突然だが今日の朝、沖君がお父さんの仕事の都合で転校しました。本人の希望でみんなには言わないでいました。」

最初これは、夢なんだって思った・・・いや、夢であって欲しいと思ったんだ。

「みんなに何も言わずに行くかわりに一人一人に手紙を預かっているので呼ばれたら取りに来てください。」

そう言って先生が沖君の手紙を配り始め、私の名前が呼ばれた・・・

私は学校では、手紙を開けなかった。

「沖の野郎何も言わずに行くなんてみずくさいじゃないか!」

クラスのみんなもざわめいている、無理もない沖君はクラス1の人気者だったから。
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