またあなたに初恋します


その日から沖君は私に話しかけてくれるようになって、わたしも少しずつだけど話すようになっていた。

「中村さんって算数得意?わからないところあっておしえてくれない?」

「うん、いいよ・・。」

「やった、じゃ、今日の放課後ね!」

「え!放課後」

放課後残るのなんて初めてのことだった、さようならって言ったらすぐ下駄箱へ直行だったから。

「ここなんだけど中村さんわかる?」

「うん、ここはね、この公式使うんだけど、最初に縦の長さをもとめるんだよ」

「ああ!そうか!わかったよ」

この日から結構二人残って算数の教えあいをするのが増えていった。

そうして四年生と五年生も沖君と同じクラスになることができて、2人の距離は確実に近づいていた。

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