近くて遠い

そこには私の初恋の人の姿があった
女子があの人の周りでキャーキャー言って
教室の窓からもあの人を見ていて
こそこそ何か言ってる人もいる
騒ぎに駆けつけた人で溢れかえっていた

「なにあの人!ちょ~かっこいい!」

「ね!何て言う人なんだろ~」

「気になるね~!!」

「うんうん!!!」

そんなような声がたくさんあった
わたしはただ廊下で立ち尽くしていた
あの人=山崎かずやを目の前に
やっぱり変わらずかっこいい
誰よりも輝いてて誰よりも人気で
誰よりも好きな人
見とれてたのかもしれない
でもそれ以上に不安の方がでかくて
戸惑って怖くてなにもできなくて
立ち尽くしていたのかもしれない
やっとの思いで口を開いた

「すごい人だね…」

「うんうん、さすが山崎だな~普通あんな に集まるか?」

そこにはもうすでにほとんどの生徒が
姿を表していた
次から次えと
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