俺とおばあちゃんの不思議な関係
たなかな

『うっ…。図書館に行って

本を選びに夢中になっていたら

気が付くと三時間ぐらい過ぎてたので

授業は諦めました』


棋理先生

『そこは諦めずに行けば良かったですね。

まぁ、それは置いといて・・・。

あなたは私といて

今どう思っていますか?

それか、印象でもいいですよ』


たなかな

『印象ですか・・・。綺麗で厳しいけど

優しい先生だと思っています』


棋理先生

(すげー、当たり障りのない答えを

選んだな。こいつ)


『それだけですか?

他には何かありますか?』


たなかな

(あ、買い物・・・。帰りなんか買って

帰らないとヤバいんだよな・・・)

『几帳面・・・というか丁寧な先生だと

思います』


その言葉にピクッと反応する。

棋理先生

『なぜ、そう思われたんです?』


たなかな

『?この部屋を見たら、誰でもそう言うと

思いますよ?

物が多いのに対し、埃まみれの本やら紙が

ないし、床に目立つ埃もなければ

ゴミだって落ちていない。

棚もそうです。中が整理されていて

分類別に分けて整理されています。

一発で、どこに何があるか探しやすい

部屋だなって思いました』


棋理先生

『・・・!この短時間でよくそこまで

見ていますね』


たなかな

『知り合いに似た人がいるんです。

まぁその人の場合は本ですが』
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