Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
「ねえ、テストっていつあるの?」
私は右のほうの隣の女の子に話しかけた。
「えっ、あ……15日後……」
15日後か……
となると、周りからしたら私は可哀想な時期に転校してきちゃったわけね。
ま、どうでもいいけど……。
「ふっ……それじゃ、久邪美さん。そこまで言うなら次のテスト、期待してるからね」
女先生はそう言い残し、教室から出て行った。
クラスのみんなはしばらく、唖然とした空気に包まれていた……。
チャイムが鳴り、本日2時間目の授業が始まる。
わかっていたけど、やっぱり亮はどこかへ行ってしまったっきり帰ってこない。
この町へ戻ってきた一番の理由は、亮に会いたかったからなのに……。
昼休みになっても来なかったら、探しに行っちゃおうかな?
……とそこで、さっき携帯がメールの受信を知らせていたことに気づいた。