Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
『わかった。休み時間になったら、教室の前の廊下で待ってる』
京介と顔を合わせるのは……2年以来か。
京介のことを嫌っているわけじゃない。それなのに……顔を思い出すと、動悸が苦しいくらい早くなる。
だけど……いつまでも逃げてちゃダメだ。
ちゃんと、あの過去について、話し合わないと……。
私は下唇を噛み締めた。
2時間目終了のチャイムが鳴る。
同時に席から立ち上がり、廊下に出たときだった。
「よう、明日菜」
肩がビクリと震える。
「ははっ、なんでビビッてんだ?」
どうして……