Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
「私……京介に謝るために、ここに戻ってきたの」
「は……?」
京介の顔から、一瞬で笑顔が消える。
本当は、謝って済む問題じゃない。それほどのことを、私は目の前の彼にしてしまった。
そして、亮にも……
「お前まさか、まだ紗耶香のこと、根に持ってんじゃねえだろうな?」
「……」
私は何も答えることができない。
そんな私の肩を……
「いいか、明日菜。オレの言葉をよく聞け」
京介が力強くつかんできた。
「紗耶香が死んだのは、お前のせいじゃない。何もかも、悪いのは全部あいつなんだって」
「違う……」
京介の言葉に、私は首を小さく横に振る。