Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
「う……嘘じゃないんだから!」
「なにが?」
「黒間くんに今彼女がいるってこと!さっきあたしたち全員、屋上で黒間くんとその彼女、見てきたもの……!」
「へえ」
朝からなかなか戻ってこないとは思っていたけど……屋上にいたんだ。
しかも、「彼女」と……
「わざわざそんな情報、ありがとね?」
敢えて満面の笑みを浮かべながら、目の前の彼女たちににっこりとほほ笑む。
とうとう微動だにしなかった私に、名前も知らないどこぞの女たちは悔しそうに走って行った。