Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
どうして今、自分が屋上に行こうとしているのかはいるのかはわからない。
亮に会いたいから?
亮と話をするため?
それとも……
さっき女たちが言っていた、「亮に彼女がいる」という事実を確かめようとでも思っているのだろうか?
どれも当てはまってしまう。
だって私は……
今でも、亮のことが……
教室から廊下をしばらく歩いて、私は足を止めた。
しまった……
今日この学校へ来たばかりの私が、屋上までの道を知っているわけがない。
……なんて、別に頭を抱えるほどのことでもないか。