Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
ドクンと跳ね上がった心臓が…………痛い。
程よい夏風が、髪の毛と制服のスカートを揺らす。
ムカムカ、ズキズキ、イライラ……
このどうしようもない心の部分も、一緒に運んでいってほしいと……
「……」
これ以上、見ていてはいけないとわかっているはずなのに……
足が鉛のように動いてくれない。
目の前のふたりから……視線をそらすことができない。
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