Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~



ドクンと跳ね上がった心臓が…………痛い。


程よい夏風が、髪の毛と制服のスカートを揺らす。


ムカムカ、ズキズキ、イライラ……


このどうしようもない心の部分も、一緒に運んでいってほしいと……





「……」





これ以上、見ていてはいけないとわかっているはずなのに……


足が鉛のように動いてくれない。


目の前のふたりから……視線をそらすことができない。






< 29 / 67 >

この作品をシェア

pagetop