Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
キスが止まる。
驚いたようなふたつの視線が、いつの間にか屋上の入り口に立っていた……私へと向けられた。
「明日菜……」
言ったはずだ。
嘘をつくのは、得意だと……
私は今から……その嘘の仮面を付ける。
「なかなか教室に戻ってこないから、探しに来ちゃった」
本当は、嫉妬でグチャグチャな心……。
見事に傷つけられた。
亮と、知らない女の濃厚なキスシーンで。
だけど、溢れ出すその嫉妬の池には一旦蓋をする。