Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~



キスが止まる。


驚いたようなふたつの視線が、いつの間にか屋上の入り口に立っていた……私へと向けられた。


「明日菜……」






言ったはずだ。


嘘をつくのは、得意だと……


私は今から……その嘘の仮面を付ける。






「なかなか教室に戻ってこないから、探しに来ちゃった」






本当は、嫉妬でグチャグチャな心……。


見事に傷つけられた。


亮と、知らない女の濃厚なキスシーンで。


だけど、溢れ出すその嫉妬の池には一旦蓋をする。





< 34 / 67 >

この作品をシェア

pagetop