Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~



「なんの用だ……久邪美」


突然の乱入者に、驚いたような表情から一変、鋭い視線がこちらへと飛んでくる。


同時に亮は、彼女の腰から腕を離した。


彼女も亮の首から腕を離し、私を見てくる。


そんな彼女の顔は、やはり綺麗だった。





それにしても、「久邪美」……か。


さっきは不意打ちで、思わず私の名前を言ってしまったみたいだけど……


「ふふっ、なに、久邪美って。前みたいに名前で呼んでよ」


そこらへんの男子なら顔を真っ赤にするであろう極上のスマイルを浮かべる。


……亮にはきかないだろうけどね。






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