Betrayer-ビトレイヤー-～嘘に包まれた気高き彼女～

「あなたが突然目の前から消えて、悲しみに暮れていた亮の傍に毎日いたのは……この私」


自信の満ちた目。


たったひとりの、亮の彼女という人間として……。


「そう……」


私が返せる言葉はそれだけ。


このふたりの仲を壊そうとは思っていない。ましてや千鶴から亮を取ろうだなんてことも……。


そもそも最初に裏切ったのは私だ。今更自分勝手なことはできない。


私はただ……


亮に彼女ができたというのを聞いて、それがどんな子なのか確かめたかっただけ。


自分なんかと違って……本当に亮を幸せにしてくれる人なのかどうか。


だけどそれも今、はっきりした。