Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
「あいつが惚れた女は、たとえ何があっても明日菜だけだと思ってた」
不意にもれた京介のつぶやきに、胸の奥が小さく痛む。
「そんなことはないでしょ」
今の私には、こうやって強がることが精一杯。
ああ、だめだ・・・。また今日の屋上のときみたいに泣いてしまう・・・。
「もう帰ろ?昔の恋人の話してたって、いいことなんて何もない」
亮のことは忘れる・・・。
この気持ちだって冷めさせてみせる。
「あ、おい待て。置いてくんじゃねえよ」
かばんを片手に教室のドアまで向かおうとした・・・・・・
そのときだった。
-ガラッ