*僕らの軌跡*
「家まで送ってくから、歩ける?」
「うん。ありがと 」
彼はさっきから掴んでいた私の手を握り直して「こっち?」と言って
歩き出した
それに 私もついていく
さっきまで あんなに怖くて泣いていたのが嘘じゃないかと思った
まるで、大雨でできた水たまりが あっという間に消えたようだった
ーー太陽みたい。
ねぇ、お兄ちゃん?私、今日お兄ちゃんみたいな人 見つけたよ。
もう 寂しくないから、大丈夫だよ。