***

あの人はここの…


私の知る誰よりも真っ白だった。


泥棒でも、あの人は真っ白だった。


なんて、幼いわたしは思った。


小さい頃からずっと、人の気持ちが手に取るようにわかった。


大人も子供も、わたしなんかに微塵の興味も持たない。


興味があるのは、わたしの家のお金だけ。


いつからだろう…。


あの日の事を頻繁に思い出すようになったのは…。

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