Kick
その夜はすごくたのしかった


蒼からアメリカのことをいっぱい聞いたり


あたしたちのことを話したり


「でもさぁ、澪がすごく綺麗になってて驚いたよ」

『そんなことないよ、蒼だってカッコイくなっちゃって〜、彼女あっちでできた?』


…沈黙


聞こえるのは朋稀の寝息だけ



「つくるわけねーだろ」


蒼が沈黙を破ってくれた


『え〜、もったいない!蒼くらいのいい男なら女はよってきそうなのにね』


そう言った瞬間、あたしは蒼の腕の中にいた


「ばか澪。俺は…Jリーガーになるんだろ」



蒼は覚えていてくれたんだ

あの約束


『そ…だね。ゴメン』

「わかればよし!さ、明日学校だし寝ようぜ」


といってあたしを解放した


『おやすみ、蒼』

「おやすみ、澪」

といって蒼はあたしのおでこにキスをして部屋に帰った。
< 15 / 180 >

この作品をシェア

pagetop