Kick
みんなあたしと同じことを考えたのか病室には重い空気がながれた


「ったく、何しんみりしてんだよ!俺の残りの命、楽しんで生きたいんだけど」


1番つらいはずの朋稀



死ぬとわかっているのにそんなふうに周りを気遣う




そんな朋稀はなんか大人っぽくみえた






『そうだね!』


「朋稀、行きたいとこあるか?」




「じゃあ、澪とディズニーランド行きたい」



『ふぇ…あたしと?』



「まぁ他にいるだろうけどね、澪とデートしたいなって」



顔が熱くなっていく



蒼もしかたない、というような顔をしている



『行こうッ…ディズニーランド!』



「よっしゃ」



最高の笑顔を見せてくれた



思わず近くにあったインスタントカメラでその笑顔をとった




見れなくなるかもしれないから…
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